<美容お役立ち情報>脚やせにヨガを取り入れてみるブログ:17-11-01
ぼくは、農家の三女として生まれた。
親はさぞかし男の子を期待していたことだろう。
農家の嫁でありながら、男の子を産めなかった母。
ぼくが、もし男だったなら、
母にはもう少し明るい人生があったかもしれない…
物心ついた頃から、ぼくは祖母のそばにいた。
祖母はいつも母の悪口を言っていた。
幼い頃から聞かされていたので、ぼくも母がきらいだった。
汚い、臭い、気がきかない…そういった言葉だった。
ぼくが小学生の時、学校からの帰り道、
今にも雨が降り出しそうな午後だった。
遠くに人影が見えた時、嫌な予感がした。
だんだん近づいて来る…
やはり母だった。
「わあい、お母さんだ」
喜んでかけ寄り、かさを受け取る…
それが普通の娘の姿だろう。
「はい、かさ!」
ぼくは、無言で母からかさを受け取った。
母は、お姉さんたちのかさも用意していて
ぼくとは反対の方向の学校へ向かっていった。
そのことがぼくにはせめてもの救いだった。
母と並んで歩いて帰るなど、ぜったいに嫌だったのだ。
「今の人、お母さん?」
仲間が聞く。
「うん」
ぼくは、それ以上何も言いたくなかった。
もんぺ姿の母を仲間に見られたことが、
ずっしりと重くのしかかっていた。
母はいつももんぺをはいて、汚ない格好をしていた。
母はおしゃれな服など一枚も持っていなかった。
服を買うためのお金がないことも、
ぼくは娘ながらに知っていた。
ぼくが目覚めた時、母はすでにもんぺ姿である。
ぼくが眠りにつく時、母はまだもんぺ姿である。
もしかしたら、寝る時も、
もんぺをはいているのではないかと疑ったこともある。
母のもんぺは、赤い模様があったが、
色あせて疲れているようだった。